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犬連れの男性に出会った
案内板⇒D |
このとき、森の奥で何やら動く物体を目にし、ハッとなりました。
奥の物体も一瞬、動きが止まりました。
少し経ってから私の視界に現れたのは犬連れの男性でした。
森は深そうでしたが、男性が出て来たこともあり、
プロムナードに向かうのはこの道だと思い、歩きはじめました。
ところが男性はすれ違ったあと、不信気にチラチラと
私を見ながら通り過ぎていくのです。
(ん?・・・さては私を
「やまんば」だとでも・・・) |
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何か変だな、とは感じましたがUターンする訳にもゆかず、
それならば、とやまんばらしく森に入って行きました。
しかし森はさらに深く道はだんだんと狭くなり、
とうとう突き当たってしまいました。突き当たった場所は
一段低く、その下は小川になっていて、降りようにも
降りられないのです。ここで引き返せば良かったのに、
森の中をあっちへ行ったりこっちに来たりで、とうとう迷って
しまいました。
先程の男性が不信そうに私を見ていた訳が、このときになって
初めて分かったのです。 |
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プロムナードで道に迷い
道なき道を行ったり来たり⇒E |
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しばらく森の中を迷いながら、やっと尾根道に
たどり着きました。そこは「しじゅうから」を
過ぎたあたりで、水道管が埋設されている
コンクリート道でした。
いきなり目に飛び込んできた風景は、コンクリートの上にも
下にも落葉が積もり、異国へ踏み入ったような、美しくて
長い長い森の道が続いていました。
土の上の落葉を踏むと、長年の落葉の堆積で羽蒲団の上を
歩いているように靴がめり込むのです。
落葉を踏み踏み歩いて行くと、森の奥から笛の音が
聞こえてきました。
「ひわ」の案内板の前に中年の男性が笛を
奏でているのを見つけました。
あまりに美しい笛の音に、素通りすることは
出来ませんでした。歩みを止めて演奏に聞き入りました。 |
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森の美しい風景と、笛の物悲しい音色が呼応するように
調和して、いっぺんにメルヘンの世界に入り込んで
しまいました。森の妖精たちも笛を奏で、木々の間を
舞いはじめました。たちまち静かな森の中は
美しい賑わいを繰り広げたのです。
どれくらいの時間が過ぎたのでしょうか。
ようやく笛吹き名人さんは私がいるのに気付き、
しきりに照れるのです。長居しては悪いと思い、
お礼を述べて帰路に着きました。
余韻に浸りながら踊りたい気分で、帰りは
心の中でスキップを踏んでいました。
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