エッセイ 犬・猫一寸見

エッセイ 犬猫の生態こんな一面

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猫の一面



先日花の手入れにでもとカーテンを開けたとき、猫が家の庭で
トイレタイムをしているのを見つけた。
数日前に花の植え替えをしているとき、素手で猫のウンチを
触ってしまったことがあった。


すぐにサッシュのガラスを手の平で何回か叩いた。
猫は驚いてその場を離れたが、私とのへだたりが安全である
一定の距離までくるとゆっくりと振り向き、こちらを睨みつけた。
黒猫でヒョウのような金色の目をしている。



    以前住んでいた家でこれに似た黒猫を思いだした。隣に広い空き地があり、
    一部が駐車場になっていて、残りは葦や雑草が生い茂り、野良猫のたまり場になっていた。
    私が車を出しに駐車場に行ったとき、ちょうど黒猫と白猫が睨み合いをしていた。
    縄張り争いらしい。



    猫は体を低くし背中を高くしたままお互いに鋭い眼光を放ち、低くうなり合っている。
    長いこと睨み合った後は一段と唸り声が高くなり、
    同時に1メートルくらい高く飛びあがり空中でガッチリと組み合った。
    そのときに咬み合っているようにも見えた。そしてそのまま地面に落ちる。
    私は息をのんでこの展開を見ていた。
そしてまた睨み合いと唸りが続く。そして空中で咬み合う。
この行動を何回か繰り返した後、黒猫が少しずつ後ずさりを始めた。
負けたのだ。


よく見ると黒い毛の顔面に血が流れている。
「大丈夫だよ、よくガンバッタ、ガンバッタ」と近寄った私を、
黒猫はチラっと見ると、見られたくない場を見られたというような、
なんとも言えない嫌な表情をした。
私が人間の感情で見ていたかもしれないが、ほんとうにそう感じた。
    その後、黒猫はここが機とばかりに一目散で逃げ去り、
    そして白猫は、黒猫を慰めようとしていた私を一瞥すると悠々と立ち去って行った。
    動物とはいえ2匹に袖にされた私は急に恥駆れた思いに襲われてしまった。
    人が見ていたら黒猫同様、変な顔をしていたに違いない。





犬の一面


    よく犬派か猫派かと問われることがあるが、私はどっちかというと犬派である。
    以前に飼っていた犬はミニチュアシュナウザーで、名前はロブ(メス犬だがいきさつ上
    仕方なくロブと付けた)。どの犬でも外へ出るのが好きだが、ロブはとくに外に出たがる。
    なので大体どこに行くにも一緒に連れて出た。


靴を履いているロブ



    でも連れていくことができないこともある。
    そんなときは、「ロブ、出かけてくるからね、ロブは待て、待てだヨ」と、何度も言って出かける。
    が、帰宅してみると家の中は凄いことになっていた。
    食いちぎられた段ボール(隣の部屋の境に段ボールを置き行かれないようにしてある)が
    いたるところに散らばって、もうめっちゃくちゃ。



    初めは鬼の居ぬ間の洗濯なのかと思っていたが、回を重ねて分かったのだが、
    どうやら腹立ち紛れのようなのだ。案の定黙って出かけて戻ってみると何事もない。
    それからはロブの前で「行く、行こうか」は禁句になった。



    ある日、夫がうっかり「じゃぁ、行こうか」と言ってしまった。
    ロブはすぐさま玄関に飛んで行ってしまった。困ったと思い、知らんふりしていると、
    待ちくたびれて戻ってきたロブは、まるで人間の子のように文句タラタラの口調で、
    「フ〜ウ〜ン」と抑揚をつけて唸ったのだ。


    仕方なく連れていくことを決めた私が、「じゃぁ、オシッコしてヨ!」と言うと、
    ほんとうにトイレシーツでオシッコしたのである。このときすでにオシッコを理解していた。
    ミニチュアシュナウザーは利口だと聞いたことがあるが、ほんとうにお利口さんだ。



    親バカかもしれないがロブも覚えが早かった。
    私の前に来てクルクルと回るときはウンチ・オシッコを教えにきたとき、
    またイナイイナイバ〜(イナイイナイというと顔を私の脇の下に入れ、バ〜と言うと
    顔を出す)や、あっち向いてホイッ(これは手の向く方へ顔を向けるだけだけど)、
    あとは拳銃で撃たれて死んだふり、敬礼、足でお手(お足)をする、などなどができた。



敬礼をしているロブ




    ロブは近くのブリーダーさんから購入した。
    生まれて45日目に家に連れて帰るとき、こんな子犬でも何かを感じ取っているのか、
    運転する私の膝の上からジーッと私を見ていた。


    家に来てしばらくしてからロブが何か粗相をしたのか、私に怒られたことがあった。
    ロブはお座りしてこちらを向き、私の許しを待っていた。
    私はテレビに見入り、ロブのことをすっかり忘れてしまった。


    ふと気付いてロブを見ると、お座りしたままコックリコックリを始めていた。
    カクッと膝が折れると慌てて元に戻って、またカクッ!。可愛かった。
    「おいで!」と言うと膝にピョンと飛び乗ってきた。



    またあるとき、私たち夫婦は喧嘩を始めてしまった。
    ロブはどうしたかと言えば、壁に向かってお座りし、顔を上に向けて
    壁を見たたままジーッとしていた。 まさしく「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」である。
    喧嘩の途中でありながらついつい笑ってしまった。
    ほんとうに人間らしい感情を持った犬だった。



    でもロブは3才になったとき心臓発作で死んでしまった。
    その後も犬を飼ったことがあるが、残念ながらロブのような人間らしい感情は
    持ち合わせてはいなかった。あの可愛い顔、仕草が忘れられない。
    今、テレビでもミニチュアシュナウザーがドラマに出て人気があるという。
    犬を飼うなら今度もまたシュナウザーを飼ってみたいと思っている。












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